セキセイインコを新しい家族としてお迎えする時、「男の子と女の子、どっちにしようかな?」と迷ってしまうこと、ありますよね。私も初めてインコをお迎えした時は、それぞれの性格の違いや特徴を調べてすごく悩んだのを覚えています。
一般的に、男の子は陽気でおしゃべりが大好き、女の子はマイペースで愛情深いといった傾向があると言われています。でも、実はセキセイインコの性別を見分けるのは、特にヒナの時期だとプロでも難しいことがあるくらい奥が深いんです。「オスだと思ってお迎えしたら、ある日突然卵を産んでびっくり!」なんてエピソードも、鳥飼いさんの間では決して珍しい話ではありません。
この記事では、私の経験や調べた情報を交えながら、セキセイインコのオスとメスの性格の違いや、ろう膜(鼻)の色による詳しい見分け方、そして多くの方が期待している「おしゃべり」の確率について、どこよりも詳しく解説していきます。これからお迎えするパートナー選びの参考にしていただければ嬉しいです。
記事のポイント
- ろう膜(鼻)の色や質感の変化による性別判断の具体的なポイント
- 生物学的な背景に基づくオスとメスの性格の違いやおしゃべり習得率
- 見分けが難しいヒナの時期や、特定品種(ハルクイン等)における判別のコツ
- 性別によって異なるかかりやすい病気や、健康管理・寿命に関する基礎知識
セキセイインコの性別見分け方とオス・メスの性格
セキセイインコの性別を見分ける際、最も基本的かつ重要な手がかりとなるのが「鼻の色」です。専門用語ではこの部分を「ろう膜(ろうまく)」と呼びますが、この色は年齢や品種、そして発情の状態によってコロコロと変化するんです。単に「青ならオス、赤(茶)ならメス」という単純なルールだけでは判断できないケースも多いので、ここではそのメカニズムを含めて詳しく見ていきましょう。
ろう膜の色と変化で性別を判断

大人のセキセイインコ(成鳥)の場合、性別を見分ける基本的なルールは比較的シンプルです。この色の違いには、実はホルモンと「構造色」という光の反射の仕組みが深く関わっているんですよ。
成鳥の性別判断:基本ルール
- オス(男の子):
ろう膜が鮮やかでツヤのある「ロイヤルブルー(濃い青色)」になります。これは男性ホルモン(テストステロン)の影響で皮膚の密度が高まり、光が青く散乱して見えるためだそうです。 - メス(女の子):
通常時は白っぽい水色やベージュ(タン)のような色をしています。そして発情期に入ると、女性ホルモン(エストロゲン)の影響で皮膚が分厚くなり、「茶色(褐色)」やチョコレート色に変化します。

詳しく調べてみると、オスの鼻が青く見えるのは、空が青く見えるのと同じような「光の散乱(チンダル現象に近い作用)」と、元々持っている黒い色素(メラニン)の組み合わせによるものなんだとか。だから、色素を持たない品種の子は青くならないんですね(これについては後述します)。
一方、メスの変化で特徴的なのは「質感」です。発情期のメスの鼻は、単に茶色くなるだけでなく、表面がガサガサとして厚ぼったくなります。これを「角質化」と呼ぶそうですが、時にはカサブタのように盛り上がって剥がれ落ちることもあります。「鼻が汚れているのかな?」と心配になるかもしれませんが、これは発情している証拠なので、元気であれば病気ではありません。ただ、あまりにも鼻の穴が塞がるほど厚くなってしまった場合は呼吸が苦しくなることもあるので、その時は病院で相談してあげてくださいね。
ヒナの鼻の穴周りで見分ける
さて、ここからが難関です。ペットショップでお迎えする生後1ヶ月〜3ヶ月くらいのヒナの時期は、まだホルモンの働きが未熟なため、大人のようなはっきりした色の違いが出ていません。「まだ鼻がピンク色だからメスかな?」と思ってお迎えしたら、成長とともに鮮やかな青色に変わって「男の子だった!」となるパターンは、セキセイインコあるあるの一つです。
ヒナの時期に性別を見分けるための最大のポイントは、ズバリ「鼻の穴の周りの白さ」です。
| 性別 | ヒナの時のろう膜の特徴 | 見分けの難易度 |
|---|---|---|
| オス | ろう膜全体が、透き通るような均一なピンク色や紫色をしています。一番のチェックポイントは、「色ムラがないこと」です。鼻の穴のすぐ縁まで、全体と同じピンク色で満たされています。 | 中 |
| メス | 一見するとオスと同じピンクや薄紫色に見えますが、よーく見ると鼻の穴の周囲だけが白く抜けています(白い輪/ハロー)。全体的に白っぽい水色の場合もあります。 | 高 |
この「鼻の穴の周りの白い輪」は、本当に微妙な差なんです。私もショップでじっくり観察したことがありますが、1羽だけ見ても「これは白い輪がある…のか?」と迷ってしまうことがほとんどでした。
確実に見分けるコツとしては、ショップにいる他の兄弟や、同じケージに入っている子たちと見比べることです。「あ、この子は隣の子に比べて鼻の周りが白いかも」「こっちの子は全体がつるんとピンク色だな」という風に、相対的に比較することで違いが見えてくることがあります。それでもヒナの時期の判別率は100%ではないので、「どっちになっても可愛がるぞ!」という気持ちでお迎えするのが一番かもしれませんね。
ハルクインやルチノの鼻の色

「セキセイインコのオスは鼻が青くなる」という常識が通用しない子たちがいることをご存知でしょうか?これを誤解していると、いつまで経っても性別を勘違いしたまま…なんてことになりかねません。
特に注意が必要なのが、「ハルクイン(お腹に模様がある子)」「ルチノ(黄色で赤目)」「アルビノ(白で赤目)」「ファロー」といった品種です。これらの品種は、遺伝的に黒い色素(メラニン)が欠けていたり、少なかったりします。先ほど「オスの鼻が青いのはメラニン色素との組み合わせ」とお話ししましたが、これらの品種にはその色素がないため、オスであっても一生鼻が青くならないのです。
例外パターンの品種(ハルクイン、イノ系など)のオスの特徴
これらの品種のオスは、大人になっても「ツヤのある鮮やかなピンク色」や「紫色」のままです。
ヒナの頃のような不透明な感じではなく、成鳥独特の光沢や艶が出てくるのが特徴です。
一方、これらの品種のメスは、通常通り白っぽくなったり、発情期には茶色くなったりします。つまり、「大人のインコで、鼻がきれいなピンク色ならオス」という、ノーマル種とは逆のような判断基準になるんですね。
「白いインコをお迎えして、鼻がピンクだからメスだと思って『ピー子』と名付けたら、めちゃくちゃおしゃべりするオスだった」という笑い話は、実はこの品種による勘違いが原因であることが多いんです。もしお迎えしたい子が少し変わった色や模様をしている場合は、その品種の特性を店員さんやブリーダーさんに詳しく聞いてみることをおすすめします。
確実なDNA性別鑑定の方法

ここまで見た目での判断方法をご紹介してきましたが、「どうしても確実な性別が知りたい」という場合もありますよね。例えば、本格的に繁殖を考えていてペアを揃えたい場合や、名前を決めるのにはっきりさせたい場合などです。そんな時は、現代の科学の力、DNA鑑定に頼るのが一番確実です。
DNA鑑定(PCR法)を使えば、99.9%以上の確率で性別を判定できると言われています。方法は大きく分けて2つあります。
1. 動物病院で依頼する
これが最も一般的で安心な方法です。健康診断のついでに採血をしてもらい、検査機関に出してもらいます。費用は病院によりますが、採血料込みで5,000円〜15,000円程度かかることが多いようです。専門の獣医さんが行ってくれるので、鳥さんへの負担やリスクが最小限で済むのがメリットです。
2. 郵送検査キットを利用する
最近では、飼い主さんが自分で爪を切った時の微量な血液や、抜けた羽などを採取して、海外や国内の検査機関に郵送する方法もあります。これだと費用が1羽あたり1,500円〜3,000円程度とかなり安く抑えられるのが魅力です。ただし、検体の採取(特に爪からの採血や羽を抜く行為)は、慣れていないと鳥さんに痛い思いをさせたり、怪我をさせたりするリスクがあります。
注意点
自己判断での検体採取は、愛鳥さんとの信頼関係を損ねてしまう可能性もあります。もしご自身で行うのが不安な場合は、無理をせず動物病院にお願いするのが、結果的に一番安心安全かなと思います。
成鳥の鼻が茶色なら病気かも
性別の見分け方に関連して、これだけは絶対に知っておいてほしい「命に関わるサイン」があります。それは、「オスのインコの鼻が、茶色く変色してきた場合」です。
通常、オスの鼻は青色(またはピンク)ですが、これがメスの発情期のように茶色くなってくることがあります。これは単なる汚れや加齢による変化ではありません。「精巣腫瘍(せいそうしゅよう)」という病気の可能性が非常に高い危険なサインです。
精巣が腫瘍化すると、ホルモンバランスが崩れて女性ホルモンが過剰に分泌されるようになります。その結果、体つきや鼻の色がメス化してしまうのです。「オスなのに茶色くなった!性転換かな?」なんて笑っている場合ではありません。この変化に気づいたら、一刻も早く鳥を診れる動物病院を受診してください。早期発見が命を救う鍵になります。
セキセイインコのオス・メスの性格とおしゃべり確率
性別の見分け方がわかったところで、次は「一緒に暮らすパートナーとして、オスとメスどちらが自分に合っているか?」を考えてみましょう。「性格」や「おしゃべり能力」には、性別による生物学的な傾向が確かにあるんです。もちろん個体差は大きいので「絶対」ではありませんが、傾向を知っておくことで、お迎え後の生活がイメージしやすくなりますよ。
オスはよく喋るがメスは静か
「インコといえばおしゃべり!」というイメージを持っている方は多いと思いますが、もしおしゃべりを最優先したいなら、やはりオスを選ぶのが確実です。
これにはちゃんとした理由があります。野生のセキセイインコの世界では、オスがメスに選んでもらうために、複雑で魅力的な歌(さえずり)を歌う必要があります。そのため、オスの脳には「ソング・コントロール・システム」と呼ばれる発声を学習するための神経回路が、メスよりも発達していることが研究でもわかっているそうです。
おしゃべり能力の性差まとめ
- オス:おしゃべり習得率が非常に高いです。人間の言葉だけでなく、電子音や他の鳥の鳴き声なども器用にコピーします。昔、ギネス記録に載った数千語を話すインコもオスでした。
- メス:おしゃべりはあまり得意ではない子が多いです。覚えたとしても、自分の名前や「おはよう」といった単語レベルに留まることが一般的です。その代わり、「チッチッ」という地鳴きや、独特の呼び鳴きでコミュニケーションをとってくれます。
もちろん、メスでも流暢にお話しする天才肌の子もいますが、確率論で言えば「おしゃべり=オス」と考えておいた方が無難です。「おしゃべりを楽しみたいからオスにしたのに、全然喋らなかった!」ということもありますが、それもその子の個性として愛してあげてくださいね。
メスは気が強く噛む力が強い
性格面におけるメスの特徴を一言で表すと、「クールで自立心が強い」と言われることが多いです。これにはメスが持つ「巣を守る」という強い本能が関係しています。
野生下では、メスは木の洞(うろ)などの巣にこもって卵を温め、ヒナを育てます。外敵から巣を守るために、自分のテリトリーに侵入してくるものに対しては容赦なく攻撃する必要があります。そのため、飼育下でもケージ(=巣)に手を入れると「ギャギャギャ!」と威嚇されたり、強く噛み付かれたりすることがあります。
噛む力の違い
オスの噛みつきは儀式的で甘噛みに近いことが多いですが、メスの噛む力は本気です。指の皮がめくれて流血するほどの力を持っています。安易に指を出すと痛い目を見ることもあるので、メスとの接し方には少しコツがいります。
「なんだかメスって怖そう…」と思われたかもしれませんが、そんなことはありません!メスは「誰にでも愛想が良いわけではない」だけで、心を許した特定のパートナー(飼い主さん)には、驚くほど深い愛情を見せてくれます。普段はツンとしているのに、放鳥中は黙って肩に寄り添ってきたり、カキカキをおねだりしてきたり…。この「ツンデレ」なギャップに魅了されて、「インコは絶対メス派!」という飼い主さんも実は多いんですよ。
おしゃべりを覚える時期と方法
もしオスをお迎えして、おしゃべりを教えてみたい!と思った場合、効果的なタイミングと方法があります。ただ漫然と話しかけているだけでは、なかなか覚えてくれないことも多いんです。
学習のゴールデンタイム:生後3ヶ月〜4ヶ月
言葉を教えるのに最適なのは、ヒナから若鳥になる生後3〜4ヶ月頃です。この時期は脳が柔らかく、好奇心も旺盛なため、新しい音をスポンジのように吸収します。成鳥になってからでも覚えることはありますが、やはり子供の頃の方が覚えは早いです。
効果的なトレーニングのコツ

- 単独飼育がおすすめ:
他にも鳥がいると「鳥語」での会話が優先されてしまい、人間の言葉を覚える必要性を感じなくなってしまいます。1羽飼いの方が、飼い主さんを群れの仲間(パートナー)と認識し、コミュニケーションを取ろうとして言葉を真似しやすくなります。 - 女性や子供の声で:
セキセイインコの声は高いので、男性の低い声よりも、女性や子供の高い声の方が聞き取りやすく、真似しやすいと言われています。男性の場合は少しトーンを上げて話しかけると良いかもしれません。 - 反復と関連付け:
「おはよう」「かわいいね」「〇〇ちゃん(名前)」など、短くて母音がはっきりした言葉から始めましょう。指に乗せている時やご飯をあげる時など、インコがこちらに注目しているタイミングで、毎日繰り返し話しかけてあげてください。
性格の違いで相性を考える
ここまでオスとメスの特徴を見てきましたが、結局のところ、あなたにはどちらが合っているのでしょうか?飼い主さんのライフスタイルや「インコとどんな関係を築きたいか」によって、おすすめの性別は変わってきます。

| こんな人には「オス」がおすすめ | こんな人には「メス」がおすすめ |
|---|---|
| とにかくインコとおしゃべりを楽しみたい 一緒にアクティブに遊びたい、スキンシップを多く取りたい 初めてインコを飼うので、比較的穏やかな子がいい 家族みんなで可愛がりたい(誰にでも懐きやすい) | 静かに愛でたい、落ち着いた関係がいい 「自分だけ」に懐いてくれる特別な絆が欲しい ツンデレな性格や、自立心のある子が好き 噛まれても受け止める覚悟と愛情がある |
オスは好奇心旺盛で誰とでも遊びたがる「陽気なアイドル」タイプ、メスは一人の人を深く愛する「一途なパートナー」タイプ、といったイメージでしょうか。ご自身の性格や理想のペットライフと照らし合わせて考えてみてくださいね。
寿命や飼いやすさに性差はある

最後に、現実的な「飼いやすさ」と「健康管理」の面での違いについてお話しします。セキセイインコの平均寿命は7〜10年、長ければ15年近く生きることもありますが、寿命自体に性別による大きな差はないとされています。
しかし、気をつけるべき病気のリスクは性別ではっきりと分かれます。ここが長く一緒に暮らす上で非常に重要なポイントになります。
メスの健康リスク:産卵トラブル
メスの飼育で最も気を使うのが「発情」と「産卵」のコントロールです。メスは交尾をしなくても、発情すると無精卵を産んでしまうことがあります。これが原因で起こる「卵詰まり(卵塞症)」は、命に関わる緊急事態です。また、頻繁な発情はカルシウム不足やヘルニアなどを引き起こします。
そのため、メスを飼う場合は、日照時間の管理や食事制限を行って、「過剰に発情させない環境づくり」が必要不可欠になります。
オスの健康リスク:精巣腫瘍
一方、オスは産卵の心配はありませんが、高齢になると精巣腫瘍のリスクが高まります。先ほどお話しした「鼻が茶色くなる」変化などがサインです。ただ、若いうちの飼育管理という点では、発情対策がシビアなメスに比べると、オスの方が初心者さんには管理しやすいかもしれません。
セキセイインコの性別見分け方やオス・メスの性格とおしゃべり確率まとめ
今回は、セキセイインコの性別による見分け方や性格、おしゃべり能力の違いについて詳しくまとめてみました。改めて振り返ると、オスはおしゃべり上手で陽気なムードメーカー、メスは芯が強くて愛情深いパートナーと、それぞれに違った素晴らしい魅力があることがわかります。
ヒナの時期の見分け方は少し難しいですが、お迎えしてから「どっちかな?」と成長を見守るのもインコ飼いの楽しみの一つです。たとえ希望していた性別と違ったとしても、毎日愛情を注いでお世話をすれば、かけがえのない大切な家族になることは間違いありません。
これからセキセイインコをお迎えするあなたが、素敵なパートナーと巡り会えますように!この記事がその一助になればとても嬉しいです。
