
あざやかな羽の色と愛らしい仕草で私たちを魅了するラブバードたち。その中でも特に人気が高いのが、コザクラインコとボタンインコですよね。ペットショップで見かけて「どっちも可愛いけれど違いは何だろう」と悩んだり、性格や鳴き声の大きさについて気になったりしている方も多いのではないでしょうか。
実は私も最初はそうでした。見た目はよく似ていますが、寿命や値段の相場はもちろん、もっと深い部分では遺伝的な違いまであるんです。この記事では、これからお迎えを検討しているあなたが運命のパートナーと出会えるように、それぞれの特徴を詳しくご紹介します。
記事のポイント
- 見た目の特徴とアイリングによる確実な見分け方
- 性格の違いから考えるあなたのライフスタイルとの相性
- 集合住宅でも安心できる鳴き声への防音対策と工夫
- 2025年の最新価格相場と飼育にかかる費用の目安
コザクラインコとボタンインコの違いや種類の見分け方

まずは、ぱっと見の印象だけでなく、生物学的な特徴や市場での立ち位置から、この2種の違いを深掘りしていきましょう。「どっちも同じラブバードでしょ?」と思われがちですが、実は体の構造や遺伝子のレベルで明確な違いがあるんです。分類学的にも、コザクラインコは「中間グループ」、ボタンインコは「アイリング・グループ」という別のグループに属しており、進化の過程で異なる道を歩んできた親戚同士のような関係なんですよ。
見た目の違いとアイリングによる判別方法
ペットショップでズラリと並んだインコたちを見ていると、カラフルすぎて「どれがコザクラで、どれがボタン?」と混乱してしまうこと、よくありますよね。でも、たった一つのポイントさえ押さえておけば、誰でも一瞬で見分けることができるんです。その最大のカギとなるのが、目の周りにある白いリング(アイリング)の有無です。
ボタンインコの目を見てみてください。黒目の周りをぐるっと囲むように、真っ白な皮膚が露出しているのが分かるでしょうか?これが「アイリング」と呼ばれるもので、まるで白い眼鏡をかけているような、あるいは漫画のキャラクターのように表情豊かな印象を与えます。このアイリングがあるのがボタンインコ(およびその仲間たち)の最大の特徴です。
一方、コザクラインコにはこの白いアイリングがありません。目のキワまで微細な羽毛が生えているため、黒目がより大きく、つぶらな瞳に見えるのがチャームポイントです。「クリクリお目々のコザクラ、メガネ顔のボタン」と覚えると分かりやすいかもしれませんね。
| 判別ポイント | コザクラインコ (A. roseicollis) | ボタンインコ (A. personatus / fischeri) |
|---|---|---|
| アイリング | なし(目の周囲は羽毛) | あり(白い皮膚が露出) |
| クチバシの色 | ベージュ〜薄ピンク(肌色に近い) | 鮮やかな赤色(サンゴ色) |
| 顔の模様 | おでこから喉にかけて桃色が広がる | 頭部が黒やオレンジ色で、仮面を被ったよう |
| 体格・サイズ | 約15cm(丸みがあり、がっしり) | 約14cm(コザクラより少し小柄でスリム) |
| 雰囲気 | ふんわりとした優しい顔立ち | キリッとしたユニークな顔立ち |

また、もう一つの分かりやすい違いが「クチバシの色」です。コザクラインコのクチバシは、私たちの爪の色に近いような、淡いベージュや薄ピンク色をしています。全体的にパステルカラーの優しい色合いが多いコザクラにぴったりの色ですよね。対照的に、ボタンインコのクチバシは、熟したトマトのような鮮烈な赤色をしています。特にブルー系のボタンインコの場合、白い体と赤いクチバシのコントラストが非常に美しく、遠目からでもはっきりと目立ちます。
体格についても、並べてみるとコザクラインコの方がひと回り大きく、肩幅(翼の付け根)ががっしりしている印象を受けます。手に乗せた時の重量感も、コザクラインコの方が「ずっしり」としていて、安心感があるという飼い主さんも多いですよ。どちらも小型インコには分類されますが、この微妙なサイズ感の違いが、抱き心地の差にもつながっているんですね。
ヤエザクラインコなどハイブリッドの注意点

SNSや動画サイトで「ヤエザクラインコ」という名前を目にしたことはありませんか?漢字で書くと「八重桜インコ」。とても美しい響きですが、これは独立した種類ではなく、コザクラインコとボタンインコの間に生まれたハイブリッド(交雑種)の通称なんです。
見た目は両親の特徴を絶妙にミックスしたような姿で、例えばコザクラインコの体格にボタンインコのアイリングが薄く入っていたり、独特の中間的な色合いを持っていたりと、非常に可愛らしい個体が多いです。しかし、この「ヤエザクラインコ」には、飼育する前に必ず知っておかなければならない、遺伝上の重要かつデリケートな問題が存在します。
染色体数の不一致と「不妊」のメカニズム
実は、コザクラインコとボタンインコは染色体の数が異なります。
・コザクラインコ:2n=50
・ボタンインコ:2n=52
この「2本」の差は、生物学的には種の壁となる大きな違いです。この異なる染色体数を持つ親から生まれたヤエザクラインコは、成長することはできますが、正常な生殖細胞(精子や卵子)を作ることができません。つまり、完全な不妊(Sterile)であり、次世代の子孫を残すことができないのです。
これを人間側の視点で考えると、「もしヤエザクラインコをお迎えしても、その子からヒナが生まれることはない」ということです。もちろん、ペットとして一代限りの命を愛し、大切に育てることは何ら悪いことではありませんし、ハイブリッド個体にも素晴らしい性格の子がたくさんいます。
しかし、問題なのは「意図的な繁殖」です。珍しい色や見た目を作りたいがために、安易に異種交配を行うことは、倫理的な観点から推奨されていません。また、ペアとして仲良くしていても、卵が孵化しない(無精卵のまま)ことが続くと、メスの体に負担がかかり続けるリスクもあります。
一方で、ボタンインコ同士のハイブリッド(例:キエリボタン×ルリコシボタン)の場合は、どちらも染色体数が「2n=52」で同じため、繁殖能力のある子供が生まれます。しかし、これも野生本来の純粋な種を守るという観点からは議論が分かれるところです。これからお迎えを検討されている方は、こうした背景を理解した上で、純粋種をお迎えするのか、あるいは保護鳥などでハイブリッドの子を引き取るのか、ご自身のスタンスを考えてみてくださいね。
人気の種類や色変わりとカラーバリエーション

ラブバードの最大の魅力の一つは、まるでパレットに絵の具を広げたような、多彩で美しいカラーバリエーションです。原種に近い色から、ブリーダーさんたちの努力によって生まれた芸術的な色変わり(ミューテーション)まで、その種類は数え切れないほど。ここでは、特にお店で出会いやすく、人気の高いカラーをピックアップしてご紹介します。
コザクラインコの人気カラー
コザクラインコの中で不動のセンターポジションを守り続けているのが「ノーマル(グリーン)」です。鮮やかな抹茶色の体に、お面を被ったような桃色の顔。野生本来の姿であり、遺伝的にも丈夫な個体が多いと言われています。「スイカみたいで可愛い!」という声もよく聞きますね。
次に人気なのが「ルチノー」です。「ゴールデンチェリー」とも呼ばれるこの品種は、メラニン色素が欠如しているため、体がまばゆい黄色、顔が鮮やかな赤色になります。そして何よりの特徴が、宝石のような「赤目」です。色素が薄いため直射日光には少し弱いですが、その神々しい美しさは多くのファンを虜にしています。
シックな色合いを好む方には「オリーブ」や「モーブ」がおすすめ。深みのある暗緑色やグレーがかった紫色は、落ち着いた和室のインテリアにもよく馴染みます。また、近年人気急上昇中なのが「シーグリーン」や「バイオレット」といった青系・紫系の品種です。コザクラインコの青系は完全な青ではなく、緑がかったターコイズブルーのような複雑な色合いになるのが特徴で、神秘的な美しさがあります。
ボタンインコの人気カラー
ボタンインコといえば、やはり「ブルーボタン」が代名詞でしょう。頭部は黒〜グレー、体は鮮やかなブルー、そして胸元は白。このモノトーンとブルーのコントラストに、真っ赤なクチバシが映える姿は、モダンで洗練された印象を与えます。
原種系では、頭が真っ黒で首に黄色い襟巻きがある「キエリボタンインコ」や、顔が夕焼けのようなグラデーションになっている「ルリコシボタンインコ」も根強い人気があります。特にルリコシボタンは、野生味あふれるエネルギッシュな色彩が魅力です。
希少カラーは出会いが運命!
「GRオパーリン(グリーンオパーリン)」や「パステル」、「イエロー」といった品種は、生産数が少なく、ペットショップに入荷してもすぐにSold outになってしまうことが珍しくありません。もし探している特定のカラーがある場合は、こまめにお店の入荷情報をチェックするか、専門店に予約相談をしてみるのが近道ですよ。
平均寿命やギネス記録と長生きの秘訣

手のひらにすっぽり収まる小さな体のインコたちですが、その生命力は驚くほどパワフルです。コザクラインコやボタンインコの平均寿命は、一般的に10年〜15年と言われています。犬や猫と変わらないくらい、長い時間を一緒に過ごすことができるパートナーなんです。
さらに、環境や個体の資質によってはもっと長生きすることもあります。非公式ながら、適切な飼育下で20年以上生きたという報告は珍しくなく、文献によっては最長寿記録として22歳〜25歳という驚異的な数字も残されています。今20代の方がお迎えしたら、40代になるまで一緒。そう考えると、彼らとの生活はまさに「人生の一部」になりますよね。
では、彼らに1日でも長く、元気に過ごしてもらうためには何が必要なのでしょうか?私が考える「長生きの3大秘訣」は以下の通りです。
- 徹底した温度管理(特に冬!)
アフリカの温かい地域が故郷の彼らにとって、日本の冬は大敵です。1歳未満の幼鳥や老鳥、体調を崩している時は、28℃〜30℃の保温が必要になることも。元気な成鳥でも、基本的には年間を通じて20℃〜25℃をキープしてあげるのが理想的です。エアコンとペットヒーター、サーモスタットを組み合わせて、快適な環境を作ってあげましょう。 - バランスの取れた食事
昔ながらの「ヒエ・アワ・キビ」だけのシード食では、ビタミンやミネラルが不足しがちで、脂肪過多になるリスクもあります。最近は栄養バランスが完璧に計算された「ペレット(総合栄養食)」が主流になりつつあります。シードがおやつのような楽しみだとしたら、ペレットは健康を守る主食。若いうちからペレットに慣れさせておくことが、将来の病気予防に直結します。 - 退屈させないストレスケア
知能が高い彼らにとって、「退屈」は大きなストレスです。ストレスは免疫力を下げ、毛引き症などの問題行動を引き起こす原因にもなります。フォージングトイ(餌探しおもちゃ)を使ったり、毎日決まった時間に放鳥して遊んであげたりして、心を満たしてあげることが長寿につながります。
そして何より大切なのが、「最後まで責任を持って飼い続ける覚悟(終生飼養)」です。15年という歳月の間には、飼い主である私たちの生活環境(就職、結婚、出産、引越しなど)も大きく変化するはずです。どんな時でも彼らを手放さず、家族として守り抜くことができるか。お迎え前にもう一度、自分自身に問いかけてみてください。
2025年の販売価格と値段の相場

お迎えを具体的に検討し始めると、やはり気になるのが「お値段」のことですよね。生き物に値段の話をするのは少しドライに感じるかもしれませんが、経済的な準備をしっかりしておくことも、責任ある飼い主の第一歩です。2024年から2025年にかけてのペットショップや専門店の市場データをリサーチしましたので、参考にしてみてください。
結論から言うと、コザクラインコとボタンインコの生体価格は、だいたい11,000円〜20,000円の範囲で推移しています。ただし、これはあくまで目安。カラーの希少性、月齢、そして産地によって価格は大きく変動します。
| 種類・カラー | 2025年 価格相場(税込) | 価格変動の要因 |
|---|---|---|
| コザクラ(ノーマル) | 約11,880円 〜 13,000円 | 最も流通量が多く、価格も年間を通して安定しています。初めての方にも安心。 |
| コザクラ(ルチノー) | 約14,080円 〜 16,000円 | 人気が高いため、ノーマルより少し高めに設定されることが多いです。 |
| コザクラ(レアカラー) | 約18,000円 〜 25,000円 | バイオレットやオパーリン系など。入荷数が少なく、ブリーダー直販等ではさらに高額になることも。 |
| ボタン(ブルー系など) | 約12,980円 〜 17,000円 | 色変わりの人気が高く、美しい個体はすぐに買い手がつくため、価格競争になりがちです。 |
| ボタン(特定店舗個体) | 約19,580円 〜 | 「手乗り崩れではない」「検査済み」など、付加価値がついた個体は高くなります。 |
「産地」が価格に与える影響
お店のポップに「静岡県産」「愛知県産」などと書かれているのを見たことはありませんか?実は、国内のブリーダーさんが繁殖させた「国産(CB:Captive Bred)」個体は、海外からの輸入個体に比べて価格が数千円ほど高くなる傾向があります。
「高いなら輸入の方がいい?」と思われるかもしれませんが、国産には大きなメリットがあります。それは、長距離輸送のストレスを受けていないため体力が温存されていることや、日本の気候や細菌環境に生まれつき慣れているため、お迎え直後の体調不良リスクが低いことです。初心者の方こそ、少し予算を足してでも、状態の良い国産の個体を選ぶことを強くおすすめします。
生体代以外にかかる初期費用
忘れてはいけないのが、お迎え当日に必要なグッズ代です。「生体代だけ握りしめてお店に行っても連れて帰れない」なんてことにならないよう、以下の予算も見ておきましょう。
- ケージ(鳥かご):5,000円〜10,000円
- 保温器具(ヒーター&サーモスタット):6,000円〜10,000円
- ご飯(ペレット・シード):1,000円〜3,000円
- その他(おもちゃ、キャリー等):3,000円〜5,000円
合計すると、生体代とは別に約2万円〜3万円ほどの初期費用がかかります。余裕を持った予算計画で、万全の体制でお迎えしてあげてくださいね。
コザクラインコやボタンインコの性格と飼い方

さて、ここからは実際に一緒に暮らすイメージを膨らませていきましょう。「ラブバード」と呼ばれる彼らは、本当に愛情深い鳥たちです。でも、その愛情深さがゆえの悩みや、集合住宅ならではの注意点もあります。
鳴き声はうるさい?集合住宅での防音対策
インコをお迎えする際、最も高いハードルとなりがちなのが「鳴き声」の問題です。正直にお伝えすると、コザクラインコもボタンインコも、声はそれなりに大きいです。文鳥やセキセイインコ(メス)のような控えめな声を想像していると、驚いてしまうかもしれません。
彼らは本来、ジャングルやサバンナで群れを作って生活しています。姿が見えない仲間に自分の位置を知らせたり、危険を知らせたりするために、「呼び鳴き(コンタクトコール)」という習性を持っています。この声は、金属的で甲高い「キキーッ!」「ピギャー!」という音で、デシベル数で言えば掃除機やピアノの音に近いレベルに達することもあります。特に、飼い主さんが部屋を出て行ってしまった時や、朝のおはようの挨拶、そして遊びたくて興奮している時には、全力で鳴きます。
そのため、壁の薄いアパートや、ペット可でも防音性が低いマンションなどの集合住宅では、ご近所トラブルを避けるための対策が必須と言えるでしょう。私が実践し、効果を感じた対策を具体的にご紹介します。
効果的な防音・しつけ対策 3選
1. アクリルケースの導入(物理的対策)
これが最強かつ即効性のある対策です。ケージ全体をすっぽりと覆う厚さ3mm〜5mm程度のアクリル製ケースを使用します。これにより、鳴き声を約30%〜50%減衰させる効果が期待できます。「隣の部屋に聞こえる声」が「隣の部屋のテレビの音」くらいまで下がるイメージです。保温効率も格段に上がるので、冬場の電気代節約にもなり一石二鳥ですよ。
2. 呼び鳴きの無視(行動学的対策)
鳥が鳴いている時に、「どうしたの?」「静かにして!」と声をかけたり、部屋に戻ったりしていませんか?これは鳥にとって「鳴けば飼い主が来てくれる(報酬)」という学習になり、逆効果です。呼び鳴きが始まったら、心を鬼にして「完全無視」を貫いてください。そして、静かになった瞬間に部屋に戻り、「静かにして偉かったね」と大袈裟に褒めておやつをあげます。これを繰り返すことで、「静かに待っていれば良いことがある」と学習させることができます。
3. 環境エンリッチメント(退屈しのぎ)
鳴く理由の多くは「退屈」です。ケージの中に、餌を探さないと食べられない「フォージングトイ」や、齧って壊せる木のおもちゃを入れておきましょう。夢中になって遊んでいる間は、驚くほど静かになります。「鳴く暇を与えない」というのも立派な防音対策の一つです。
噛む力の強さと手乗りにする懐き方

ラブバードのもう一つの懸念点、それは「噛む力」です。「ラブバードに噛まれると流血沙汰になる」なんて噂を聞いたことはありませんか?……残念ながら、これはあながち間違いではありません。特にコザクラインコ、その中でも発情期のメスは縄張り意識が非常に強く、巣(ケージ)を守るために本気で攻撃してくることがあります。
彼らのクチバシは、硬い種子の殻を割るために進化しており、その力は人間の皮膚くらい簡単に突き破ってしまいます。本気で噛まれると、血豆ができたり、出血したりするのは日常茶飯事と言っても過言ではありません。この「噛み癖」とどう向き合うかが、ラブバード飼育の最大の課題とも言えます。
でも、怖がりすぎる必要はありません。彼らが噛むのには必ず理由があります。「嫌なことをされた(恐怖)」「自分の場所を守りたい(防衛)」「こっちを見てほしい(要求)」などです。噛まれた時に「痛い!」と大声で叫ぶと、鳥は「飼い主が興奮して喜んでいる(反応してくれた)」と勘違いして、遊びの一環として噛み癖がエスカレートしてしまうことがあります。
噛まれた時の対処法としては、低い声で短く「ダメ」と言うか、無言でケージに戻す(タイムアウト)のが効果的です。そして何より、「噛まれる状況を作らない」ことが大切です。眠そうな時や機嫌が悪そうな時は無理に触らない、という配慮も必要ですね。
一方で、懐きやすさはピカイチです。手乗りにするためには、ヒナの頃から「人の手は怖くない、良いことがある場所」と教えるのが近道です。粟の穂などのおやつを手から与えたり、優しく声をかけながら指に乗る「ステップアップ」の練習を繰り返すことで、信頼関係が築かれます。信頼した飼い主には、服の中に潜り込んできたり、手の中でとろけるように眠ったりと、痛みなんて忘れてしまうほどの極上の甘え姿を見せてくれますよ。
多頭飼いの相性と喧嘩を避けるポイント

「1羽だとお留守番が寂しそうだから」という理由で、2羽目のお迎えを検討する方も多いですよね。インコ同士が仲良く毛づくろいをしている姿は本当に尊いものです。しかし、ラブバードの多頭飼いは、他の鳥種に比べて少しハードルが高いことを知っておいてください。
特にコザクラインコは、パートナー(飼い主やペアの鳥)に対する執着心と独占欲が非常に強い鳥です。もし新しい子が来て、飼い主さんがその子を可愛がっているのを見ると、激しい嫉妬心から新しい子を攻撃してしまうことがあります。また、相性が悪い個体同士を同じケージに入れると、どちらかが怪我をするまで喧嘩が終わらない、最悪の場合は命に関わる事態になることさえあります。
多頭飼いを成功させるための鉄則は以下の通りです。
- いきなり対面させない
お迎えして最初の2週間ほどは、感染症予防の意味も含めて別室で隔離します(検疫期間)。 - ケージ越しのお見合い
検疫が終わったら、ケージを隣同士に置いて、網越しにお互いの存在を認識させます。この時点で威嚇し合っていないか観察します。 - 放鳥は別々の時間から
同時に放鳥すると喧嘩になることが多いので、最初は「先住鳥」→「新入り」の順で別々に放鳥します。先住鳥の優先順位を守ることで、嫉妬を防ぎます。 - 同時放鳥は慎重に
お互いに興味を持ち始めたら、広い場所で同時に放鳥してみます。取っ組み合いの喧嘩になりそうならすぐに引き離せるよう、厚手の手袋やタオルを用意しておきましょう。
異種間飼育のリスク
先ほどお話しした通り、コザクラとボタンのペアは不妊のハイブリッドが生まれる可能性があります。また、体格差で喧嘩になった場合、体の小さいボタンインコが大怪我をするリスクもあります。基本的には「放鳥時間は別々にする」「ケージは別々にする」ことを前提に考えた方が安全です。仲良くなれたらラッキー、くらいの気持ちでいるのが良いでしょう。
どちらが飼いやすい?性格の比較と適性
ここまで、コザクラインコとボタンインコそれぞれの特徴や注意点を見てきましたが、最終的に「自分のライフスタイルや性格には、どっちが合っているんだろう?」という疑問が残りますよね。これは正解のない永遠のテーマでもありますが、多くの飼い主さんの声や私自身の経験、そして行動学的な傾向を踏まえると、いくつかの判断基準が見えてきます。
まず大前提として、どちらも「ラブバード」という名の通り、パートナー(飼い主)に対して非常に深い愛情を注いでくれる鳥であることに変わりはありません。しかし、その愛情表現の「質」や「距離感」には微妙な違いがあります。
濃厚なスキンシップを求めるなら「コザクラインコ」

もしあなたが、「鳥に愛されたい」「常にくっついていたい」「自分だけを見てほしい」と願うなら、迷わずコザクラインコをおすすめします。彼らの愛情は直球で情熱的です。
- ベタ慣れ度No.1: 信頼関係が築ければ、放鳥中は片時も離れず、肩や頭に乗って過ごします。服の中に潜り込んで寝てしまう(通称:バードテント)子も多く、その無防備な姿は飼い主の特権です。
- 独占欲の強さ: パートナーへの依存度が高いため、他の家族やペットに嫉妬することがあります。これは裏を返せば「あなただけ」という特別な絆を感じられるポイントでもあります。
- 在宅ワーク向き: 寂しがり屋なので、自宅にいる時間が長い方や、こまめに放鳥して構ってあげられる環境の方に最適です。
適度な距離感と観察を楽しむなら「ボタンインコ」

一方で、「仕事で忙しい時間もある」「鳥の自主性も尊重したい」「ユニークな行動を見て癒やされたい」という方には、ボタンインコがフィットするかもしれません。
- ツンデレな魅力: コザクラに比べると少しシャイで臆病(神経質)な一面があります。最初は警戒していても、時間をかけて心を開いてくれた時の喜びはひとしおです。「自分にだけ懐いてくれた」という達成感があります。
- 遊びの天才: 好奇心が旺盛で、おもちゃ遊びや一人遊びが上手な子が多いです。ケージの中で忙しそうに遊んでいる姿や、アイリングを動かして表情豊かに反応する様子は、見ていて飽きることがありません。
- 自立心: コザクラほどの「分離不安」になりにくい傾向があり(もちろん個体差はあります)、適度な距離感を保ちながら生活できるパートナーになります。
性別による性格の違いも重要!
種類だけでなく、性別も性格に大きく影響します。
一般的に、オスは穏やかで甘えん坊、おっとりしている子が多いと言われています。初めてラブバードを飼う方には、比較的攻撃性が低いオスが育てやすいかもしれません。
一方、メスは気が強く、縄張り意識や巣作り本能が強いため、噛む力が強く攻撃的になりがちです。しかし、その分パートナーへの愛情は深く、母性本能にあふれています。「強気な女子に振り回されたい!」というコアなファンも多いんですよ。
結論として、「飼いやすさ」に大きな差はありません。どちらも防音対策は必要ですし、掃除や健康管理の手間も同じです。重要なのは、「あなたがどんな関係性を求めているか」です。ペットショップで実際に触れ合ってみて、フィーリング(直感)で「この子だ!」と感じた子が、一番の正解かもしれませんね。
コザクラインコとボタンインコの比較まとめ

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は、日本国内でもトップクラスの人気を誇るラブバード、「コザクラインコ」と「ボタンインコ」について、その違いや魅力を徹底的に比較・解説してきました。最後に、記事の要点をもう一度おさらいしておきましょう。
この記事の重要ポイント
- 見分け方の決定版: 目の周りに白い輪(アイリング)があるのがボタンインコ、なくてつぶらな瞳なのがコザクラインコです。
- 遺伝子の壁: 染色体数が異なる(コザクラ50本、ボタン52本)ため、交雑種(ヤエザクラインコ)は不妊となります。繁殖を考えるなら同種同士のペアリングが鉄則です。
- 性格の違い: 「情熱的でべったり」なコザクラと、「シャイだけど陽気で遊び好き」なボタン。あなたの好みやライフスタイル(在宅時間など)に合わせて選びましょう。
- 飼育の覚悟: 寿命は15年〜20年と長寿です。生体価格(1〜2万円)だけでなく、長期的な飼育費用や、呼び鳴きに対する防音環境の整備が必要です。
コザクラインコもボタンインコも、決して「静かで手のかからないペット」ではありません。時には大きな声で呼び鳴きをし、家具をかじり、本気で噛みついてくることもあります。しかし、それらを全て受け入れて余りあるほどの、深く、純粋で、無償の愛を私たちに注いでくれます。
仕事から疲れて帰った時、玄関まで「ピッ!」と嬉しそうな声で出迎えてくれること。手の中で温かい体温を感じながら、安心して眠る姿を見せてくれること。そんな日々の小さな幸せが、あなたの人生をより豊かで彩りあるものにしてくれるはずです。
この記事が、これから新しい家族をお迎えしようとしているあなたの背中を押し、運命の1羽と巡り合うための手助けになれば、これ以上の喜びはありません。どうぞ、素敵なラブバード・ライフをスタートさせてくださいね!